愛知県は自動車産業をはじめとする製造業の集積地として知られており、企業の設備投資を支援する補助制度や税制優遇制度が整備されています。
工場・研究所等の新増設や県内再投資を後押しする制度も設けられており、設備投資に関する税制優遇や補助制度を活用できる場合があります。
ここでは、愛知県の設備投資に関する主な制度の概要についてご紹介します。
制度ごとに対象業種、投資額、雇用要件、申請時期が異なるため、投資計画の初期段階で確認することが重要です。
1.愛知県の補助制度
愛知県の「県の優遇制度」では、主な制度として
などが案内されています。
このうち 新あいち創造産業立地補助金 は、企業の県内再投資や、産業競争力強化に資する製品・部素材の製造・研究開発等を支援する制度です。工場・研究施設・物流施設などの新増設を対象としており、投資規模や雇用条件など一定の要件を満たす場合に補助を受けることができます。
制度は複数のタイプに分かれており、代表的なものとして以下があります。
Aタイプ(県内再投資)
同一市町村内での設備投資を対象とし、
- 大企業:投資額25億円以上
- 中堅・中小企業:投資額1億円以上
などの投資規模要件のほか、雇用維持などの条件が示されています。
Bタイプ(新規投資等)
県内での新たな投資を対象とし、
- 大企業:投資額25億円以上
- 中堅・中小企業:投資額2,000万円以上
などの要件が公表されています。
なお、これらの補助制度は 工事着工の30日前までに申請が必要 とされており、設備投資計画の段階での確認が重要となります。
愛知県の優遇制度URL:
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/ricchitsusho/yuuguu-ken.html
2.産業立地促進税制
本制度は、産業の空洞化に歯止めをかけ、当地域産業の活力の維持・活性化と雇用機会の拡大を図るため、企業立地の初期投資の軽減となる支援策として、不動産取得税を軽減する制度です。
制度概要として公表されている主な要件は次のとおりです。
- 設備投資額:1億円以上
- 常時雇用する労働者:5人以上
などの条件があります。
軽減内容は一律ではなく、県の公開ページでは
- 中小企業:税額の全額または4分の3相当額
- その他(大企業等):税額の2分の1相当額
となっています。
また、対象期間は 対象区域の指定の日から令和10年3月31日まで です。
対象業種や対象区域については、市町村の申出を受けて県が指定する仕組みとなっているため、個別の適用可否については事前確認が必要となります。
愛知県 産業立地促進税制URL:
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/ricchitsusho/yuuguu-ken.html
3.本社機能の移転・拡充に関する国の特例(地方拠点強化税制)
本制度は、地方への新たな人の流れを生み出すことを目的として、事業者が 東京23区にある本社機能の地方移転 や地方にある本社機能の拡充 を行う場合に、県の認定を受けることで税制上の優遇措置を受けることができる制度です。
対象となる本社機能の例としては
- 本社事務所
- 研究所
- 研修所
などが挙げられます。
優遇措置の一つである オフィス減税 では、建物等の取得に対して次のような税制措置が設けられています。
移転型
- 特別償却:25%
- 税額控除:7%
拡充型
- 特別償却:15%
- 税額控除:4%
取得価額要件は、3,500万円以上(中小企業者は1,000万円以上)です。
また、制度の適用を受けるためには
- 2026年3月31日までに県の認定を受けること
- 認定日の翌日から 3年以内に建物等を取得し事業の用に供すること
などの条件が示されています。
愛知県 地方拠点強化税制URL:
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/ricchitsusho/kyotenzei.html
4.名古屋市のSDGs関連融資優遇
名古屋市では、SDGsへの取組を行う企業を対象とした金融支援制度として SDGs推進保証なごや が用意されています。
この制度は、名古屋市信用保証協会が提供する保証制度で、SDGsに関する取組を行う企業に対して資金調達を支援するものです。
制度の主な概要は以下のとおりです。
- 保証限度額:2億8,000万円
- 保証期間:10年以内(設備資金等の場合は最長15年)
- 保証料率:0.35%~1.80%
SDGsへの取組を進める企業にとっては、金融機関からの資金調達を行う際の選択肢の一つとなります。
制度の詳細は以下の公式ページをご参照ください。
SDGs推進保証なごや(名古屋市信用保証協会)URL:
https://www.cgc-nagoya.or.jp/guarantee/guarantee12-1.html
5.まとめ
設備投資や拠点整備に関する制度は、補助金、不動産取得税の軽減、国の税制特例、融資制度など複数の制度が組み合わさっているのが特徴です。
制度ごとに対象業種、投資規模、雇用要件、申請時期が異なるため、設備投資計画の早い段階で制度の適用可能性を確認しておくことが重要です。
制度の適用可否や要件の確認は、個別の投資計画によって異なります。制度活用を検討される場合は、事前に専門家へご相談されることをおすすめします。
設備投資に関する税務や制度活用についてご相談がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
※本記事は掲載時点で公表されている制度情報をもとに概要を整理したものです。制度の内容、適用要件、申請期限等は今後変更される可能性があります。実際の制度適用については、最新の公式情報をご確認ください。
